大月の家(増築)
Frame the scenery
風景を切り取るように建築をつくる
住宅の「離れ」として、6帖程の寝室とささやかなキッチンスペース、トイレがある空間をつくった。焼き杉で仕上げられたこの小さな「離れ」は、南北に大きな開口部を穿ち、奥の緑を美しく切り取る。たとえばそれは山門に出会った瞬間のように、門の向こうに見える緑が印象的に目に飛び込んでくる、そんな風景を切り取る外観をつくり出そうとした。開口部は引き分けのガラス戸・網戸で外壁内部に引き込めるようにし、桧は木色として焼き杉とのコントラストが美しく見える様にした。また縁台を設け、窓辺に腰掛けられる高さに設定している。小さなスペースながら圧迫感の無いよう注意を払い、ディテールを積み上げた。内部の床はナラの無垢フローリング、天井には杉の胴縁材を目透かし張りでスッキリとした印象の空間に仕上げた。